すたじお やまあらしロゴ 20th ANNIVERSARY since 1997
抗精神病薬【定型薬】いろいろ
  • 定型精神病薬は投与量に制限がないが、非定型抗精神病薬の場合は保険適応上極量設定がなされている(例:リスパダールは1日で最高12mgまで)。
  • 1日あたりのメジャーの総量がクロルプロマジン(CP)換算で1000mgを超えると、治療効果に差はないというエビデンスが出ており、古典的な多剤併用処方についてCP1000mg相当まで減量していくことは可能である。
  • 処方変更・減量はきわめてゆっくり、時間をかけて行う。定型→非定型への置換で、特に(定型薬の長期的副作用と考えられる)陰性症状の緩和が期待できる。なお、狭義の陰性症状に対しては、現時点ではクロザピン以外は有効なエビデンスはない。
  • 陽性症状に対する効果発現には少なくとも1週間を要し、陰性症状に対しては2〜4週間の観察が必要である。統合失調症以外の精神病性反応には、症状安定後もさらに2〜3年は現処方量を維持し、その後慎重に減量を行う。統合失調症および精神病性反応の再発例では長期投与を要する。
  • 非定型薬への治療反応性が悪い場合は、速やかに定型薬を開始すべきである。
  • 精神運動興奮に対しては、セレネースまたはリスパダールといった陽性症状に速効性の薬剤と共に、高力価のマイナーを使用する。切迫した状態の場合、マイナーによる鎮静を優先して用いる。精神運動興奮が長期間持続しうる症例の場合には鎮静系のメジャー(CP・LP)を投与するが、近年ではセロクエル・ジプレキサが有効とされる。
  • 近年「非定型薬をせん妄に対して用いると、用いない場合と比べ死亡率が上昇する」というエビデンスが提示されたが、定型薬(これは明らかに死亡率を上昇させる)との比較対象試験は行われていない。副作用の頻度を考慮すると、せん妄に対して抗精神病薬を用いざるを得ない場合は、非定型薬を優先して用いることが臨床上増えてきている。

凡例
大分類
中分類
小分類
一般名の日本語・英語表記
製剤番号
先発品の日本語・英語表記
(発売元・製造元・販売元など)
後発品の一部
小ネタ

黎明期の抗精神病薬
現在頻用されないもの
メチレンブルー
Methylene Blue
(各社) 1876年に合成される。1891年には鎮痛作用、1899年には抗幻覚作用が報告された。現在では臨床ではメトヘモグロビン血症に対して用いられる。近年は持続勃起症への効果も報告される一方で、τ凝集阻害作用が注目され、抗認知症薬としての治験がなされている。
主な用途として光学顕微鏡用の核染色液が有名。
フェノチアジン
Phenothiazine
(各社) 1883年に合成される。当初は合成染料としての使用であったが、1934年に殺虫効果が認められ、豚の駆虫剤として用いられた。現在は臨床では用いられないが、後述の通り抗精神病薬の基本骨格として名を残す。
フェネタジン
Fenethazine
アネルゲン散(住友化学-稲畑産業) 中止 1930年に合成される。抗ヒスタミン薬の開発はここに始まる。フェネタジン自体は呼吸器科薬として用いられていたが、現在は発売中止。
ジエタジン
ジエチルアミノエチルフェノチアジン
Diethazine
(各社) 1946年に錐体外路症状に対する効果が認められ、その後の抗パーキンソン薬開発の骨格となる。
定型抗精神病薬
Phenothiazine
フェノチアジン系
塩酸クロルプロマジン
Chlorpromazine
4560RP
ウインタミン Wintermin(塩野義製薬) 1955年3月発売
コントミン Contomin(三菱ウェルファーマ吉富薬品) 1955年4月発売
アルキルアミノ側鎖。
1950年にフランスの旧ローヌ・プーラン社(現サノフィ・アベンティス)によって合成、1952年11月にLargactilの名前で発売された、世界初の抗精神病薬。国内では1954年6月より大阪大学・北海道大学で治験開始。
鎮静効果が強いが、少量の使用では却って賦活効果があるとされる。本来は抗ヒスタミン薬として開発されたが、鎮静薬としての開発に切り替えられ、更に幻覚妄想への効果が追加された。
ローヌプーラン製品の輸入品は「(人工)冬眠」を語源とするウインタミンとして塩野義製薬が販売(海外ではサンド(ノバルティスのジェネリック部門)に譲渡され、そこから輸入している)。
一方、国内では吉富製薬が迂回製法を開発、「こんこんと眠る」のを語源とするコントミンを販売(現在は三菱フェルファーマから販売)。
吃逆にも10mgくらいで効くとされる。
塩酸クロルプロマジン
プロメタジン
フェノバルビタール 合剤
ベゲタミン Vegetamin(塩野義製薬)中止 CP/PM/PBの配合比率によりA・Bの2種類がある。近年までよく用いられていたが、2016年でようやく販売中止となる。
塩酸トリフルプロマジン
Trifulpromazine
ベスプリン Vesprin(ブリストル・マイヤーズ スクイブ) 中止 注射剤のみであった。発売中止。
レボメプロマジン
Levomepromazine
Methotrimeprazine
ヒルナミン Hirnamin(塩野義製薬
レボトミン Levotomin(三菱ウェルファーマ吉富薬品

ソフミン Sofmin(共和薬品
レボホルテ Levohalte(鶴原製薬
プロクラジン Procrazine(キョーリンリメディオ) 中止
アルキルアミノ側鎖。鎮静効果が強く、難治性の不眠にも用いる。LPはCPと並んで、定型薬としては使用頻度が多い。
プロマジン
Promazine
WY1094
未発売 文字通りクロルプロマジンから塩酸基が外れたもの。なぜか国内未発売。近年はコロナウイルスの増殖抑制作用から、SARSへの効果が研究されている。
アセプロマジン
Acepromazine
1522CB
未発売 国内でも犬用の麻酔薬としては頻用される(鎮痛作用はない)。
プロピオマジン
Propiomazine
   
メソリダジン
Mesoridazine
   
塩酸チオリダジン
Thioridazine
TP21
メレリル Melleril(ノバルティス) 中止 ピペリジン側鎖・アルキル側鎖。衝動性を抑える効果が高く、ADHDにも有効とされていたが、TCAやSSRIなど併用薬の禁忌が多く、2005年末に発売中止、2007年3月末を以って経過措置終了。
スルフォリダジン
Sulforidazine
   
プロペリシアジン
Propericiazine
8909RP
SKF20716
ニューレプチル Neuleptil(塩野義製薬吉富薬品

<後発品>
イリヤキン Iryakin(キョーリンリメディオ)中止
アパミン Apamin(吉富製薬) 中止
ピペリジン側鎖。
フルフェナジン
Fluphenazine
WL7029
マレイン酸塩
フルメジン Flumezine(三菱ウェルファーマ吉富薬品

デカン酸塩
フルデカシン Fludecasin(三菱ウェルファーマ吉富薬品

エナント塩
アナテンゾール Anatenzol(三菱ウェルファーマ吉富薬品) 2006年中止

ピペラジン側鎖。経口のフルメジンよりは、デポ剤のフルデカシンが比較的よく用いられる。
ペルフェナジン
Perphenazine
SCH3940
ピーゼットシー PZC(三菱ウェルファーマ吉富薬品
トリラホン Trilafon(シェリング・プラウ共和薬品
トリオミン Triomin(山之内→アステラス) 2003年中止
ピペラジン側鎖。制吐作用が強いため、車の酔い止めなどにも用いる。
カルフェナジン
Carphenazine
   
チエチルペラジン
Thiethylperazine
トレステン Toresten (サンド→ノバルティス) 2000年中止  
プロクロルペラジン
Prochlorperazine
6140RP
ノバミン Novamin(塩野義製薬

<後発品>
パソトミン Pasotomin(吉富製薬) 中止

ピペラジン側鎖。これも制吐作用が強く、トラベルミンなどと同様に、モルヒネの副作用に対して用いることがある。
マレイン酸ペラジン
Perazine
P725
プシトミン Psytomin(吉富製薬) 中止 ピペラジン側鎖。
メシル酸チオプロペラジン
Thioproperazine
7843RP
セファルミン Cephalmin(塩野義製薬) 中止 ピペラジン側鎖。
マレイン酸トリフロペラジン
Trifluoperazine
SKF 5019
Ser-25
トリフロペラジン Trifluoperazine(三菱ウェルファーマ吉富薬品)中止 ピペラジン側鎖。2013年で販売中止。
ブタペラジン
Butaperazine
   
クロルプロエサジン
Chlorproethazine
   
シアメマジン
Cyamemazine
   
ディキシラジン
Dixyrazine
   
ピペラセタジン
Piperacetazine
   
ピポチアジン
Pipotiazine
   
チオプロパゼート
Thiopropazate
   
Thioxanthine
チオキサンチン誘導体
チオチキセン
Thiothixene
Tiotixene
CP12252-1
P4657 A
P4657 B
ナーベン Navane(ファイザー)  中止  
クロルプロチキセン
Chlorprothixene
N714
Ro4-0403
トラキラン Traquillan(三生→サンノーバ/エーザイ) 中止
クロチキセン Chlothixen(吉富薬品) 中止
 
クロペンチオール
Clopenthiol
   
フルペンチオールFlupenthiol    
ズクロペンチオールZuclopenthiol    
Butyrophenone
ブチロフェノン系
ハロペリドール
Haloperidol
JR 1625
R 1625
R 13.672
Ser-25
セレネース Serenace(Janssen大日本住友製薬

<後発品>
ハロステン Halosten(シオノギ製薬
リントン Linton(三菱ウェルファーマ吉富薬品
レモナミン Lemonamin(共和薬品

エセックチン Esextin(東洋ファルマー)中止
コスミナール Cosminal(東和薬品)中止
スイロリン Suirolin(辰巳薬品)中止
ハロジャスト Halojust(鶴原製薬)中止
ハロミドール Halomidol(長生堂製薬)中止
ペルセス Perses(イセイ)中止
ヨウペリドール Youperidol(陽進堂)中止

デカン酸塩
ハロマンス Halomonth(Janssen大日本住友製薬
ネオペリドール Neoperidol(J&J・ヤンセン
ケセラン Keseran(住友)中止
ブロトポン (台糖ファイザー) 中止

メペリドン(Meperidone)からポール・ヤンセンが開発した。ピペリジン誘導体をいわゆるヤンセンアミンという。
最も頻繁に用いられる抗精神病薬。多くのジェネリックがある。欧米ではHaldolの名前で販売。 「セレネース」は国により別の薬品を示すことがあるので注意。
ハロマンス・ネオペリドールは名前の通り、1ヶ月効果の持続するデポ剤。
塩酸トリフルペリドール
Trifluperidol
McN-JR 2498
R 2498
トリペリドール Triperidol(吉富薬品) 中止 白内障の副作用のため、国内では発売中止。海外では現在でも発売 。
ブロムペリドール
Bromperidol
R 11.333
R 46541
インプロメン Impromen(三菱ウェルファーマ吉富薬品

<後発品>
プリンドリル (沢井製薬
ルナプロン Lunapron(共和薬品大日本住友製薬
プリペリドール (陽進堂) 中止
メルカイック (シオノケミカル) 中止
セレネースより鎮静効果が弱く、同等の抗精神病作用を持つ。
ドロペリドール
Droperidol
McN-JR 4749
R 4749
  国内では未発売。
ベンペリドール
Benperidol
   
アザペロン
Azaperone
  海外で豚用の鎮静薬として用いられる。
ピパンペロン
Pipamperone
フロロピパミド
Floropipamide
R 3345
プロピタン Propitan(三生→サンノーバエーザイ 抗アンフェタミン作用が強力とされる。
スピペロン
Spiperone
R 5147
スピロピタン Spiropitan(三生→サンノーバエーザイ

Spiroperidol

 
モペロン
Moperone
Methylperidol
R-1658
ルバトレン Luvatren(山之内→アステラス) 中止 2009年3月を以て発売中止。
シヌペロン
Cinuperone
   
セトペロン
Setoperone
  リスペリドンの直接の祖先。
レンペロンLenperone    
チミペロン
Timiperone
トロペロン Tolopelon(三菱ウェルファーマ吉富薬品

<後発品>
セルマニル (協和薬品工業)

覚醒剤依存に伴う幻覚妄想に対して用いることがある。
フルアニソン
Fluanisone
   
Diphenylbutylpiperidine
ジフェニルブチルピペリジン系
ピモジド
Pimozide
McN-JR 6238
オーラップ Orap(藤沢→アステラス 知的障害児にの問題行動に対して用いることも多かった。古典的非定型薬。
Clopimozide    
Fluspirilene    
Penfluridol    
Benzamide
ベンズアミド系
塩酸スルトプリド
Sultopride
LIN-1418
バルネチール Barnetil(シエーリング大日本住友製薬

<後発品>
スタドルフ (共和薬品
バチール (全星薬品工業三菱ウェルファーマ吉富薬品

興奮抑制・抗躁・抗幻覚妄想作用があるものの、鎮静効果は低い。
ネモナプリド
Nemonapride
brl 20.596
YM-09151-2
エミレース Emilace(山之内→アステラス ベンズアミド誘導体。
スルピリド
Sulpride
ドグマチール Dogmatyl(藤沢→アステラス
アビリット Abilit(大日本住友製薬
ミラドール Miradol(シエーリング

<後発品>
ピリカップル (イセイ
ベタマックT Betamac T(沢井製薬
マーゲノール Margenol(辰巳薬品)
クールスパン Coolspan(菱山→ニプロファーマ)中止
ケイチール Keityl(三恵薬品)中止
シーグル Seeglu(ナガセ医薬品)中止
スカノーゼン Skanozene(鶴原製薬)中止
スタマクリット Stamaclit(東和薬品)中止
スプロチン (大洋薬品工業)中止
スペサニール Supesanile(長生堂製薬)中止
ニチマール (日新製薬)中止
ヨウマチール Youmatyl(陽進堂日医工)中止

統合失調症の辺縁系仮説に基づく薬剤。
50mgで消化器潰瘍治癒促進+食欲増進作用及び抗うつ作用、300mgで抗精神病作用。当たり外れなく、非常に幅広い精神疾患に使用可能。
Levosulpiride    
Veralipride    
塩酸チアプリド
Tiapride
グラマリール Gramalil(藤沢→アステラス

<後発品>
クックール (東洋ファルマー
グリノラート (大洋薬品工業
チアプリム (メディサ・沢井製薬
チアラリード (長生堂製薬
チアリール (ダイト
ノイリラーク (共和薬品
ボインリール (日新製薬
フルジサール (日医工)中止

ベンズアミド誘導体。D2遮断作用がある。発売当初は脳代謝改善薬に分類され現在に至るが、分子構造としてはメジャーの一種。せん妄やジスキネジアに用いることが多い。
アミスルプリド
Amisulpride
Dan 2163
ソリアン Solian(Sanofi-Aventis D1・D2受容体拮抗薬。国内開発中。
Remoxipride  開発中止 選択的D2/Σ受容体拮抗薬として開発され、現在の非定型薬的効果が確認されたが、再生不良性貧血の副作用のため中止。
Iminodibenzyl
イミノジベンジル誘導体
塩酸クロカプラミン
Clocapramine
Y-4153
クロフェクトン Clofekton(全星薬品工業三菱ウェルファーマ吉富薬品

<後発品>
パドラセン (共和薬品

イミプラミンから合成された(源流をたどればクロルプロマジンに行き着く)。
カルピプラミン
Carpipramine
21.679 RP
Bay b 4343
PZ 1511
デフェクトン Defekton(三菱ウェルファーマ吉富薬品)中止 これもイミプラミンから合成された。名前の通り、陰性症状に効果的とされた。5-HT2 受容体拮抗作用もある。
塩酸モサプラミン
Mosapramine
Clospipramine
Y-516
クレミン Cremin(三菱ウェルファーマ吉富薬品 クロカプラミンの活性代謝物。こちらのほうが陰性症状により効果的、現在でも愛用者は多い。90年代になって発売となる。
Thiepine
チエピン系
レセルピン
Reserpine
アポプロン Apoplon(第一製薬

セルパシル Serpasil(チバガイギー→ノバルティス)中止

1930年に高血圧に対して用いられるようになり、1931年には精神症状に対しても用いられるようになった。
1952年7月にラウオルフィアから抽出される。 中枢性降圧薬としても有名。重症な抑うつ状態を引き起こす恐れもあり、現在ではレセルピンを抗精神病薬として用いることは殆どなくなったが、このレセルピンがうつ病のセロトニン仮説の始まりとなった。
ゾテピン
Zotepine
FR 1314
ロドピン Lodopin(アステラス

<後発品>
セトウス Setous(高田/シオノギ製薬
メジャピン Majorpin(共和薬品
ロシゾピロン (三菱ウェルファーマ吉富薬品

チエピン誘導体。陰性症状への効果を謳った古典的非定型薬の中で、最も需要がある。覚醒剤依存に伴う幻覚妄想に対して用いることもある。α1阻害作用あり。
クロチアピン
Clotiapine
Clothiapine
HF 2159
LW 2159
デリトン Deliton(大日本)  中止
サイコゾン Psychoson(三共) 中止
三環系。ベンゾジアゼピン誘導体でもある。発売中止。
オクトクロチエピン
Octoclothiepin
   
Fluperlapine    
Metitepine
Methiothepin
   
Tenilapine    
Butaclamol    
その他
オキシペルチン
Oxypertine
WIN 18.501-2
ホーリット Forit(第一製薬 インドール系。
Molindone    
Prothipendyl    
ロキサピン
Loxapine
  三環系(ジベンゾキサゼピン系)。これが代謝されるとアモキサピンになる。
 

Last Updated:2017/07/20
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